かつてこの小屋の管理人が引き起こした強姦殺人事件のために、この小屋は一旦閉鎖されましたが、数年前に再建されたとのことです。私たちは被害者に冥福を祈りながらも、再建して間もない富士見平小屋に対して宿泊料を支払うことによって少しでも役に立とうという気持ちから、テントではなく富士見平小屋に宿泊することにしました。ところが、富士見平小屋の対応はその私たちの気持ちを真っ向から裏切るものでした。 まず私たちは山小屋の朝食が必要なかったので、朝食なしで予約をしようとしたら、 「朝食がなくても値段が同じだけど、いい?」 と答えられたので、やむをえず朝食を頼むことにしました。ただし、早朝登山の後に食事をすることにしたため、食事時間をあとにずらしてもらいました。結局、その不必要な朝食の時間に30分ほど遅れました。これは、食事のために凍結した登山道を急ぐのは危険なので、慎重に歩いた結果です。 また、早朝登山の間、荷物を小屋に置かせてもらえるか聞いたら、大丈夫とのことで(ただし、置き場所の指示はありませんでした)、私たちはやむを得ず布団をたたんで、その空いたスペースに荷物を置き、他の宿泊客の迷惑にならないよう、音を出さないための気遣いをしながら小屋を出ました。 そして小屋に戻ってきた途端、小屋の管理人に怒鳴り散らされました。小屋の外からも聞こえるぐらいの大声でした。理由は(1)朝食に30分遅れたことと、(2)荷物を置いた場所が悪い、とのことです。しかも、その件で私たちのメンバーに恫喝を加え、私たちは朝食をとることすらも不可能になりました。安全が第一とされる登山で、山小屋の食事のために、その安全を無視して凍結した登山道を急げというような、「山の常識」すら無視した山小屋の身勝手な言動(しかもその朝食を食べさせてすらない)は、もはや「富士見平王朝」といっても過言ではありません。 私たちはやむを得ず、ここにいてもしょうがないので下山しようという会話をしだした途端、バンダナに髭ヅラの下っ端男性スタッフが駆け込んできて、テント場の全員に聞こえるような大声で、チンピラさながらに喧嘩腰で怒鳴ってきて、挙句の果て大人しく話を聞いている我々に対して特大の大声で「ここから下りろ!」と叫びました。それはまさに駈け込んで吠えまくる番犬そのものでした。 この小屋の対応は恐らく国内最低レベルで、いわゆる「一般社会の常識」どころか、客を客とも思わない「山小屋の常識」すらもはるかに下回るものと言わざるを得ません。 この小屋の女性スタッフの素晴らしい対応を、管理人を含む男性スタッフが台無しにしているのが残念でなりません。また瑞牆山・金峰山の素晴らしい風景と思い出を、この小屋が最悪の思い出に変えてしまいました。瑞牆山や金峰山に登られる方は、この小屋に泊まらないことを強く推奨いたします。 |